【メンバー寄稿】パックン解説・パックン対策解説
はじめまして。
僕は、amesara(あめさら)と申します。
KUSCに所属しており、パックンフラワーをメインとして活動しています。
2021年4月現在の主な実績としては、
・第16回スマバト 9位
・第15回スマバト 13位
・京都DSW(旧Able) 優勝2回
・その他平日大会等リザルト入り 多数
あたりが挙げられます。
自分でいうのもなんですが、オフで実績を残している数少ないパックンです。
世間的には、パックンはいわゆる弱キャラとして扱われがちです。
しかし、相手がパックン対策できていなければどんな強キャラだろうと最上位勢だろうと勝つことができる可能性を持ったキャラだと思います。
いざ大会に出てみたらパックンに負けたなんてこともあるでしょう。
そこで今回は、KUSCに寄稿する記事として、僕が考えるパックンの立ち回り・崖のセットアップの解説をしたいと思います。
あくまで僕のパックンの立ち回り・崖のセットアップにすぎませんが、どれもオフでこそ通用するセットアップばかりなので、オフでパックンに勝ちたいと思うのであれば読む価値があると思います。
忙しくて全部読む時間がない!という方は、最後の「崖のセットアップ」だけ読むのをおすすめします。最悪そこさえ頭に入れておけば結構楽にパックンと戦えます。
では、しばしお付き合いください。
目次
1.立ち回り
ここでは、それぞれの状況におけるパックンの基本的な立ち回りを解説します。
解説といっても、「こういう状況ではパックンはこういう動きをしがちだよー」という
程度のものだと思っておいてください(ここらへんはパックン使いの中でもかなり個性が出るところなので…)
1)ニュートラルのとき
ご察しの通り、パックンは待ちが強いキャラではありません。むしろ相手に待たれてしまうとやることがなくなってしまうキャラです。
そのため、パックンは、相手が動かなければ自分から差し込むことが多いです。
パックンの主な差し込みの手段は ①DA ②ダッシュ掴み ③降り空N ④すべり横強 です。基本はこのどれかで差し込んできます。
①DA
これが最も警戒すべき差し込みです。
パックンのDAはめちゃくちゃ伸びますし、植木鉢/土管 を斜め上に出しながら突っ込んでくるので上にも攻撃判定が広いです。小ジャンプで避けようとしたところに当たるなんてことも多々あります。しかも、近くで撃つとかなりの距離でめくるのでガードされたときのケアもできます。無敵が付いていないのが悩みどころ(笑)ですが、ドンキーのDAの強化版と思ってくれて構いません。
②ダッシュ掴み
DAを警戒してガードを張っている相手や、こちらのダッシュを見てDAを予測してガードを張ろうとする相手に刺さります。
掴みの距離や発生は特に早いというわけではありませんが、DAが強すぎるせいでどうしてもガードが多めになるので意外と通ります。
掴んだ後はパックンの唯一の投げコンである下投げ空前が当たります。100%前後で下投げを内ベク変して空上に当たらない限り撃墜することはありませんが、相手を崖外に出すことができるため、パックンの強みである崖展開を作ることができます。
③降り空N
通った場合のリターンが高い差し込みです。
着地隙は15Fとかなりありますが、DAと同様に、当てる位置によってめくることができるのでガードされたときのケアもできます。
降り空Nに当たってしまうとDAやダッシュ掴みや横強などが確定します。どれもダメージ稼ぎとして優秀なので当たりたくない技です。高%だと、降り空Nから掴んで上投げバーストすることもありますし、確定させるのは難しいですが降り空Nから下スマが当たることもあります。しかも、パックンの空Nはどこに当たっても必ず前に飛ぶという仕様があるため、空Nに一度引っかかっただけでコンボを食らってしまいます。
④すべり横強
上記3つの技に比べると使う頻度は格段に低いですが、上手いパックン使いは必ずといっていいほど使用してきます。
めくりこそしないものの、横強をガードされたとしても2段目を撃つか撃たないかの読み合いになりますし、横強のノックバックがそこそこあるのでガーキャン掴みを透からせることもできます。対パックンにある程度慣れてきて、後述するパックンの差し込みの対策として引き行動をするようになってきた相手に刺さる印象があります。
と、4つの差し込みの手段を説明しましたが、これらの対策を説明します。
まず、第一に実践すべきなのは引き行動です。DAもダッシュ掴みも降り空Nも相手に引きで避けられると反撃が取られ放題となってしまいます。相手が引き行動をしてくるか否かでパックン側のやりやすさ/やりづらさは格段に変わります。
相手が引きをするようになったなーとパックン側が感じれば、パックン側は、引かれることを想定してかなり深めにDAを差すようになったり、ダッシュガードでの様子見を増やしてみたりしてきます。
ここでやっと初めてパックンと対等に読み合いができるようになります。
引き行動を意識せず他のキャラと同じように考えていると、DA界最強の一角であるパックンに苦しめられることになるでしょう。
DAや降り空Nを引きで避けた後、大抵のキャラは掴みだったりDAだったりで差し返せばいいと思いますが、キャラによってはよりリターンの高い他の技を狙ってもいいと思います。
具体的な例を挙げますと、
・ルフレ:DAに対して引き空N/空前/空後
・ヨッシー:DAに対して引き空後/空前
とかは、僕と対戦したことのある人たちによくやられます。
まぁ、そんなことしなくても引きで避けて掴みで差し返すだけでもパックン側は安易なDAを撃てなくなるので、無理に高いリターンを取ろうとしなくてもいいとも思います。
とにかくパックンの差し込みに対しては引きを意識しましょう。
下手に上から攻めようとするのはパックンの思うつぼです。
なお、ワイヤー掴みを持っているキャラであれば、パックンのダッシュに対して掴みを合わせることも有効な対策です。中距離でパックンのダッシュが見えたらとりあえずつかみを置くと意外と成功することが多いです。ただ、もちろんジャンプで避けられると反撃を食らうので、かなり難しいとは思います。
2)密着したとき
パックンは潜り込まれると弱いと言われがちです。僕もそう思います。
しかし、発生2Fの弱攻撃、2段でリーチもそこそこ優秀な横強、頭無敵で当てたらコンボにもつながる上強といった優秀な技を持っているので、ゴチャっとした状態からでも有利展開を作ることができる可能性を持っているキャラでもあります。
相手が前にいればとにかくAボタンを押して弱を当てる!
相手が横にいればとにかくCスティックを倒して横強を当てる!
相手が飛ぶと予測したらとにかく上強をブンブンする!
なんならとにかく上スマしてみる!
…こういう考えに支配されているのが密着時の(僕の)パックンです(笑)
密着時も常に冷静に対処できる神のスマブラ力をお持ちの方であれば問題ありませんが、そうではない常人のスマブラーの方々におかれましては、「密着時のパックンは技を擦りがち」ということを頭の片隅にでも入れておくといいと思います。
3)着地するとき
パックンの着地は強くありません。上からの攻撃にはめっぽう強いですが、下からの攻撃には全くといっていいほど耐性がありません。
そのため、パックン側も工夫して着地してきます。
工夫といっても、①横Bを利用して着地のタイミングをずらす、②NBを出しながら降りて相打ちを狙う、の2つが僕が主に使う着地の手段です。
①横Bを利用して着地のタイミングをずらす
パックンの横B「ポイズンブレス」は、空中で出すと1回だけその場に留まることができます。空中で横Bを出すと毒を吹いている瞬間だけ空中で停止します。なお、2回目以降は毒を吹きながら落ちていってしまうため着地のタイミングをずらすことはできません。
この手段の特筆すべき点は、着地狩りの上スマや着地に掴みを合わせようとした相手に最大反撃を取ることができることにあります。パックンが着地してくると思って上スマを振ったり、パックンの着地ポイントにダッシュ掴みを振ってきた相手に対して、横Bでタイミングをずらして上スマ/掴みを透からせた後、空下メテオから上スマや空上を当てることができます。うまく空下メテオを当てることができれば70%くらいから上スマを確定させてバーストすることができますし、もっと%が高ければ空上を確定させてバーストすることができます。
一度見てしまえば警戒は容易なので、いわゆる初見殺しに該当すると思いますが、パックン側の着地狩り拒否として使える数少ない手段なので結構使います。
②NBを出しながら降りて相打ちを狙う
それほど判定の強くない空上で着地狩りを狙ってくる相手にたまに刺さる手段です。読まれたらでっかい反撃を取られるかなり危険な手段ですが、当たれば展開がいいのでたまに狙う価値はあると思います。(個人的にはオンのパックンがよくやるイメージです)
この2つが目新しいパックン独特の着地狩り拒否の手段ですが、そうでなくてもパックンは落下速度がフォックスに次いで全キャラ中2番目に速いので、単純に急降下で降りてくることも多いです。急降下空N/空下で逆にリターンを狙ってくることもあります。
ただ、空Nも空下も分かっていれば容易に避けられるので、上記2つの初見殺しに気を付けつつ、積極的に着地狩りを狙っていくべきだと思います。
剣キャラやヨッシー相手には一生着地できない…なんてことも。
4)着地狩りするとき
パックンの着地狩りは結構強いです。正確には、着地狩りというより空中にいる相手に対してかなり強いです。原作再現とよく言われます。
主に、①NB、②上強、③空上、④上スマ、⑤DA、⑥下B で着地を狩ってきます。
①NB
とにかく強い。雑に強い。
着地ポイントに投げても強いですし、ジャンプで逃げる相手にシューリンガンを浮かせたままにプレッシャーかけても強いですし、とにかく下に潜り込んでBボタン押そう。
攻撃しながら無理やり着地しようとしてくる相手に刺さります。
ただ、カウンター持ちには危険です。真下からシューリンガン出したら、ウルフのリフレクター/ジョーカーのマカラカーン/パルテナの反射板に跳ね返されてこっちに落ちてきた、なんて経験、パックン使いなら一度はあるはずです。言い換えれば、カウンター持ちのファイターを使っている方はこれがかなり有効な対策の1つとなります。
②上強
かなり強い。雑に強い。
パックンの上強には頭無敵が付いているので、攻撃しながら無理やり着地しようとしてくる相手にブンブンすると強いです。ロボットの降り空Nなど、下へのリーチの長い一部の降り空中攻撃にはおすすめしませんが、大抵のファイターの降り空中攻撃に対してブンブン擦っていい技だと思います。当たれば空上もつながりますし、かなり強いです。
ただ、横の判定は狭いので、着地のポイントをずらせば避けることは容易です。
③空上
めちゃくちゃ強い。雑に強い。
アプデで主要な撃墜手段の1つになりました。120%くらいでバーストを狙えるようになり、サイレントアプデで頭無敵も付いたため、着地狩りでとにかく狙っていきたい技となりました。NBや上強を警戒している相手に不意に空上を当てる!というのが強いです。
ただ、範囲はそれほど広くないので一生浮かされるなんてことはないです。自分が120%くらいになったら空上でバーストされるかもしれないということだけ頭に入れておくといいです。
④上スマ
たまにやると強い。逆転狙える。
ご存じの通り、パックンの上スマはめちゃくちゃ飛びます。死ぬほど飛びます。
上スマも例にもれず頭無敵が付いているため、攻撃しながら無理やり着地しようとしてくる相手には結構刺さります。着地ポイントを一点読みして上スマしたりすると、たまに引っかかってくれます。高い位置で当たれば70%くらいからバーストできます。
ただ、隙はそれなりにありますし、相手ももちろん上スマを警戒しているので、何度も擦る択ではありません。パックンがダッシュで真下に潜り込んできたら、もしかしたら上スマが来るかもしれないと身構えておく程度でいいです。
⑤DA
着地狩りでも活躍する最強の技。パックンといったらこれ。
前述したとおり、意外と上にも判定が広いので着地狩りでも活躍します。回避を使ってパックンから離れるように着地しようとした相手に伸びるDAで着地狩りとかはよくある展開です。当たれば低く飛ぶのでパックンの強みである崖展開を作れます。
ただ、こればかりやっていれば当然分かられて着地通されるので択を散らしましょう。
⑥下B
ワンチャンの択。ロマン技。
パックンの下B「ロングレンジパックン」は、着地狩りにも使えます。ロングレンジパックンについては、後述のnaruさんのまとめが本当に参考になるのでここで語るべきことはあまりないのですが、相手が下手に回避を使ったときに狙うといいです。
ただ、カウンターが天敵なので、カウンター持ちのファイターはパックンの下B溜めが見えたらタイミングよくカウンターするといいです。パックンが消滅します。
以上がパックンの主要な着地狩りの手段ですが、素直に崖に逃げるのもありだと思います。後述するように、パックンは崖狩りがめちゃくちゃ強いわけですが、それをあまりにも怖がりすぎて無理に着地しようとするのも危険なので、無理だと思ったら素直に崖に逃げるという選択もありです。それが最善の場面もあります。
2.復帰/復帰阻止の仕方
1)パックンの復帰/相手の復帰阻止
パックンの復帰は弱いと言われがちです。僕もそう思いますが、パックン側の工夫次第ではかなり弱点を隠して復帰することができます。パックンの上B「リーフローター」の復帰距離自体はかなり長いです。ルーペ状態からも余裕で届きます。
ただ、頭が出る!!
崖掴むときにもうとにかく頭が出る!!!
これでもかっていうくらいめっちゃ頭が出る!!!!
トレーニングモードでコマ送りにしてみるとよく分かりますが、パックンが上Bで崖掴むとき、急にぐりんっ!と回転して頭が出ます。もう下スマも空下も当たり放題です。
ただ、パックンが崖にめり込むようにして内側から帰ることでかなり頭が出ないようにすることができます。(正確には内側から帰るからではなく上Bの特殊な仕様によって頭が出なくなるのですがここでは省略します)
そのため、崖外に飛ばされたら、基本的に内側からめりこむようにして帰ってきます。
ならそこを叩けばいいじゃん、と思いがちですが、そう簡単ではありません。
パックン側も、空中でNBを出したり、空中で横Bを出したりして復帰のタイミングをかなりずらすことができます。また、内側からめり込むように帰るといっても、どのくらい深くめり込むかによって微妙にタイミングが変わってきます。
そのため、安易にめり込んで帰ってくるパックンに復帰阻止しようとすると、パックンの上Bに巻き込まれて崖メテオで0%で死んだ…なんてことが多発します。受け身を取ることももちろん可能ですが、使い手ですらパックンの上Bの受け身は難しいので危険です。
では、どのようにパックンの復帰阻止をすればよいのか。
まずは、小さい技でもいいからとにかくパックンをより外に飛ばすことです。
いきなり大きい技を当てようとするのではなく、内側からめりこんで帰ってこようとするパックンに対して、小さい技でもいいからとにかく当てます。
少し飛ばされた程度ではもちろんパックンの復帰距離の長さをもってすれば帰ることができますが、距離が長いとその分崖にめり込むことが難しくなってきます。
そうしたら、頭が出るので崖を掴まりに来たところに技を当てやすくなります。
基本的にはこの流れで復帰阻止をするといいです。
ルキナを例に挙げて説明しますと、
まずは崖掴まりに下強を当ててとにかく外に出すことを狙う。もしそもそも下強が当たらなければ普通の崖展開に切り替えればよい。
下強が当たったとしても、まだパックンが十分に崖にめりこむようにして帰れるようであれば下手に手を出さない。再び下強など小さい技で外に出すことを狙う。
下強が当たり、パックンが十分に吹っ飛んだのを確認したら、パックンの復帰ルートが制限されるので本命の空後を当ててバーストする。
と、こんな感じで復帰阻止をするといいです。
ポイントは、パックンが十分に内側からめりこむようにして帰れる以上は下手に大きな技を当てにいかず、パックンが無理に帰るしかなくなったことを確認して初めて大技を当てにいくことです。(なお、ロボットやファルコンやフシギソウなどの強力な空下を持つ一部のファイターであれば、パックンが崖にめり込むようにして帰ったところで結局空下に当たってしまうことが多いので、必ずしもこの手順が絶対正しいわけではありません)
なお、裏の択として上から無理やり帰るという択もあります。パックンの上Bは着地隙が最大でも20Fとかなり少ないので、スマッシュなどの大技は間に合わないことが多いです。むしろその場回避で避けられて上スマで逆にバーストなんてことも多々あります。
上から回避はある程度は通されてもよいと割り切りつつ、着地隙をごまかすためのその場回避や即ガードを狩り、しっかりリスクを付けることを意識するといいです。
色々書きましたが、結局のところ自分の使用キャラが誰であるかによって理想の復帰阻止の仕方は変わってきます。ただ、上手く突き詰めればパックンはやはり復帰の弱いキャラであることは確かなので、基本は上記の手順での復帰阻止を模索するといいです。
2)パックンの復帰阻止/相手の復帰
パックンは崖のセットアップが強いのであまり復帰阻止のイメージはないかもしれませんが、自身の復帰距離が長いこととNBや空Nなどの優秀な技を持っていることから、復帰阻止にも結構いけます。崖狩りと思ったら普通に復帰阻止されて死んだなんてことも。
パックンの復帰阻止は主に、①NB、②下B、③空N/空前、④空下で行います。
ここで紹介する以外にも色々とネタはありますが、今回は基本を紹介します。
①NB
どこでも活躍する技。パックンの最強技。
崖上から崖外にいる相手にNBを投げるパターンと自分も崖外に出て空中でNBを浮かせる/投げるパターンの2つがあります。
このうち、崖上から崖外にいる相手に投げるパターンは最もよく使う復帰阻止です。相手を崖外に飛ばしたらとりあえずNBを崖外に向かって投げ、当たったらラッキーだし、当たらなかったら普通に崖狩りに切り替えればよいので、特にリスクもないです。復帰阻止というよりは、パックンの崖狩りを拒否しようと上から帰ろうとしてくる相手に対する牽制としての意味を持っています。
自分も崖外に出て空中でNBを浮かせる/投げるパターンは、パックンが積極的に行う復帰阻止の1つです。投げずに空中で浮かせたままにしておけば相手の上Bと相打ちを狙うことができます。ガノンドロフやファルコンなど一部のキャラはこれで詰むこともあります。また、パックンが崖外に出てきたのを見て上から通り越そうと思った相手にも刺さります。他のキャラの復帰阻止は大抵下に向けて攻撃する技で行いますが、パックンの復帰阻止はパックンの上にいる相手に対して行うので、上から通り越そうと思った相手に逆に復帰阻止をしやすくなるという構図です。浮かせたままではなく普通に相手のいる方向に投げてももちろん強いですが、相手のいる方向に投げるのではなくあえて崖に向かって投げるのもありです。崖を掴もうとした相手にNBが当たって崖メテオなんてことも。
ただ、NBを出してる間は無防備なので、相手が対パックンに慣れているのであれば絶対にしない方がいいです。パックンの復帰阻止がどれも上方向なのを逆手にとられ、復帰阻止にきたパックンの下に潜り込んでNBの後隙を狩られます。たとえば、フィットレに対して崖外でNBを浮かせると、下に潜り込まれて横Bでメテオされます…。もちろんほかのキャラでもNBを投げた/浮かせたままでいるのを見てから相打ちにならないよう逆に技を当てることができますので、相手が慣れてくると途端に通じなくなります。あくまでハイリスクハイリターンの復帰阻止なので、相手やキャラを見てやるかどうか決めましょう。
②下B
強いけど当てるの難しい。でもそこそこ強い。
①のNBと同じように使える復帰阻止です。崖外に出て空中で下Bを溜めて相手に当てることを狙います。当たればかなり強いのですが、NB以上に当てるのも難しいしリスクも高いです。やるのであれば、崖外で動く相手に直接当てようとするのではなく、最初から崖端に傾けて下Bを溜め、崖を掴もうとしにきた相手に当てて崖メテオを狙うのが無難です。もし当たればNBよりも早い段階で受け身不可のエフェクトが出ます。
ただ、これも相手が慣れているのであれば絶対にしてはいけません。下Bは一度傾けたら元には戻せないという仕様があるため、傾いたのを見てから後隙に攻撃を当てるのが比較的容易です。復帰ルートがよほど少ないキャラでない限り、パックンの下Bに対して、避けてから逆に空下メテオを当てたりなんてこともできます。反撃は取られなかったとしても、そもそも当てること自体が難しく、外してしまえばこちらが崖を掴む展開になってしまうので、僕はあまり使いません。もっとも、たまにやると強いのは確かです。
③空N/空前
リスクの低い復帰阻止。結構強い。
①②に比べて外したとしても反撃がとられにくいのがこの復帰阻止の良いところです。前述したように空Nの最終段は必ずパックンの前側に飛ぶため、どこに当てても崖外に飛ばすことができます。普通に崖外に出て空Nするのも強いですが、おすすめは崖降りてすぐの場所での空Nです。空Nは持続が長いので崖を掴みにきた相手に合わせやすくなります。当たれば必ず崖外に飛ばせ、そのまま再び復帰阻止してもいいですし、すぐに崖を上がって崖狩りに切り替えてもよいです。汎用的で使いやすいです。
空前は7Fという発生の速さの点で空Nに勝ります。空Nの方が持続の長さゆえに使いやすいのですが、復帰阻止に来ないと思って油断している相手に唐突に空前を振ると結構当たってくれたりします。僕は結構空前の方を使いますが、正直どちらでもいいです。
④空下
そんなに強くない。
パックンの空下にもメテオ判定はあります。ただ、メテオ判定を当てるのは難しいですし、カス当たりのときの吹っ飛ばしも大してありません。そのため、③の空N/空前に比べると扱いが難しいです。ただ、パックンの復帰阻止の技がどれも上方向のものばかりなので、下にいる相手に対して空下を選択することはあります。発生は9Fと他の空下よりかなり早いので、それなりに使えます(僕は結構使います)。地上で空Nや空前を引っ掛けて相手が低く飛んだときに崖降りてすぐ空下を撃つと意外と当たる印象です。
3.ロングレンジパックンについて
おそらくパックン最大の初見殺し技である、下B「ロングレンジパックン」
ステージの半分くらいまで届く超長リーチ、15%まで耐えるヘビーアーマー付き、最大溜めに遠くで当たればあっという間にバーストするしダメージも半端ない、ガード削り値もえぐい、といったとても個性あふれる技となっております。
その分扱うのはかなり難しいのですが、上手く使えば色々な場面で活躍しますし、ガードを割ってしまえば0%から撃墜できるので大逆転も狙えます。
色々と意外と知られていない仕様があるのですが、
①リーチは最大溜めでステージの半分くらい
②遠くで当たれば当たるほど威力もガード削り値も高い
③キャンセルもできるが溜め時間には限界がある
④一度傾け始めると元には戻せない
⑤アーマーは単発15%以上の技を当てると壊れる
くらいを覚えておけば大丈夫だと思います。
たとえば、②の仕様があるため、近くであれば食らったとしても思ったよりは安く済むことがあります。また、⑤の仕様があるため、威力の高い単発技を食らえばアーマーを貫通することができます。なお、意外と知られていませんが、アーマーが付くのは3Fからなので、それより早く技を当てることができれば普通に攻撃を当てることもできます。
ロマン技と呼ばれつつも実際は結構当てることができますし、対策ができていないと面白いくらいに相手が死んでいきます。僕が第15回スマバトで13位取ったときなんて10秒に1回は下Bしてました(笑)
では、実際にどのように当てるのか。
これについては、ロングレンジパックン全一であるnaruさんという関西のパックン使いの方が既に記事にしてくださっているのでそちらを参照するといいと思います。
下Bを安易にジャンプで避けようとすると死にます。
naruさんの記事はこちら
https://naru-miku.hatenablog.com/entry/2020/09/02/182031
避け方としましては、ガードもジャンプも読み合いになるため危険です。強いていえばその場回避が有効ですが、これもタイミング次第なので危険です。
正しい対処法については、対パックン全一であるLYCさんの方法が完璧だと思います。
https://twitter.com/AmesaraMM2/status/1308425424150704135?s=20
こちらの動画にありますように、パックンが傾いたのを見てからジャンプして即空中回避をすれば、読み合い関係なく絶対に当たりません。
ジャンプで避けようとしてしまうとジャンプ読みの下Bに当たってしまいますし、ガードが削れている状態でガードしてしまうとシールドが割れてしまいます。
このLYCさんのやり方で対処すれば、読み合い関係なく避けることができます。
https://twitter.com/LYC_DUCKHUNT/status/1309493342443466753?s=20
リターンこそ取れませんが、これで絶対に当たりません。
もし多少の危険を冒してでもリターンが取りたいのであれば、ジャンプして回避をしながらパックンに向かって降りてくることで下Bの後隙を狩ることができます。
ただ、パックンが下Bを最速キャンセルした場合には、むしろ回避を使って降りてきた相手を逆に狩ることができてしまうので、どうしても読み合いにはなってしまいます。
基本は、LYCさんのようにジャンプ空中回避で避けるのをおすすめします。
4.崖のセットアップ
パックンを語る上で最も重要といってもいい、崖のセットアップ。崖狩りの強さは全キャラの中でもトップクラスだと思います。
パックンを使いたい人/パックン対策をしたい人は、まずはとにかく崖のセットアップについて知るべきといっても過言ではないくらい重要です。
ここでは僕がよく使う崖のセットアップをまとめたいと思います。
もちろん個人差がありますし、他にも面白い択があったりしますが、あくまで僕が実戦で使っている実用的なものだけを紹介するので、そのつもりでお願いします。
パックンの崖のセットアップの始まり方は2通りあります。
①崖端にシューリンガンを落としてから始まるパターン
②シューリンガンを落とさずに始まるパターン
の2通りです。
以下、この2つの始動パターンに分けて、それぞれのパターンで使えるセットアップの特徴についてまとめていきます。
1)崖端にシューリンガンを落としてから始まるパターン
回避上がりの位置くらいからNBを落とし、崖端にNBが転がるように配置するパターンです。時間的余裕があればNBを落とす前に横Bで毒を撒いておくのが理想です。回避上がりの位置で小ジャンをしてからNBを横に撃てばちょうどよい位置にNBが転がってくれるので、上手くいかない人は小ジャンしてからNBを撃つことを意識するといいです。
ここから始動するセットアップは次の通りです。
①動いたのを見てから即DA
相手が動いたのを見てからDAを撃つことでその場上がりを狩ることができます。また、回避上がりの距離が長い一部のキャラを除けば、回避上がりも狩れます。崖離し攻撃上がりに対しても技によっては当てることができます。一度当てることができれば再び崖展開となるため、かなり強いです。パックンの崖狩りとしては基本中の基本となります。
他方、攻撃上がりは食らってしまいます。動いたのを見てから即DAを撃たなければその場と回避に当てることができず攻撃上がりを確認してからDAでは間に合わないため、どうしても攻撃上がりは食らってしまうことになります。また、タイミングが良ければジャンプ上がりにも当てられますが、かなり難しいです。
②崖端にダッシュしてガード
崖端のNBがなくなった瞬間にその場上がりや攻撃上がりをしてくる相手、①のDAや後述の④の下スマを警戒して攻撃上がりをしてくる相手に刺さります。
その場上がりに対しては掴むことができますし、攻撃上がりをしてきた相手には上スマや下スマも間に合います。近づきながら崖離し攻撃上がりをしてきた相手にはガーキャン上スマで反撃できます。①と並んで、パックンの崖狩りの基本となっています。
ただ、回避上がりとジャンプ上がりは通してしまうことになります。
③ジャンプ読み空前/空N/空後
最もパックンが基本とする①と②を警戒して安定択のジャンプ上がりを擦ってくる相手に刺さります。
空前は発生が早く後隙が少ないが合わせにくい、空Nは持続が長く当てやすいが隙が大きい、空後は撃墜できるが隙が大きいといった特徴があります。僕は隙の少ない空前と当てられたらおいしい空後の2つを使うことが多いです。
ただ、ジャンプ上がり以外はもちろん通してしまいます。こちらが空中攻撃を振った瞬間に回避上がりをされてしまうと完全に無防備になってしまいます。空前を置くのであれば引きながら撃ったり、空後を置くのであればそのまま崖外に逃げて崖を掴んだりといった外した場合のケアをする必要が出てきます。
④崖端にダッシュして下スマ
崖端のNBがなくなった瞬間にその場上がりや回避上がりをしてくる相手に刺さります。
その場上がりについては、崖端のNBがなくなった瞬間に反射的にその場上がりをしてしまう相手が多いので、そこに発生9Fの下スマが当たるという構図です。当たれば90%前後からバーストできるのでめちゃくちゃ強いです。回避上がりについては、パックンが崖端にダッシュしてきた場合、②のダッシュガードの択があるため、相手側としては回避上がりを通したくなり、そこに下スマが当たるという構図です。130%くらいからバーストできます。
その場上がりを読んで下スマしたけど間に合ってない⇒ 読みに反して回避上がりしてきた⇒ タイミングが少し遅れたことで逆に回避上がりに当たった、なんてことも。
ただ、こちらも②と同様にジャンプ上がりに弱いです。ジャンプ上がりされて下スマをすかったところに相手の空後が当たって逆にバーストされることも多々あります。
2)シューリンガンを落とさずに始まるパターン
崖端にNBを落とさずに崖を狩る場合はこちらになります。NBをうまく崖端に落とす時間がない場合に使うなどして、1)のパターンと使い分けていきましょう。
なお、こちらの場合でも余裕があれば崖端に毒を撒いておくとよいです。
①崖端でNBを浮かせる
パックンが崖端にいるのを確認して攻撃上がりをしてきた相手やジャンプで逃げようとした相手に刺さります。また、攻撃上がりに対してはもちろん相打ちになりますし、崖離し攻撃上がりに対しても技によっては相打ちに持ち込むことができます。ただ崖端にダッシュしてNBを浮かせればいいだけなので簡単ですし、当てることができれば空前をつなげることができて再び崖展開を作ることができるのでかなり強いです。
ただ、回避上がりされると無防備となります。回避上がりして即横スマされるとこちら側が早期撃墜されてしまうので、読まれたらかなり危険です。その場上がりも通してしまうのですが、その場上がりに対しては、NBをしまってすぐに上強を擦ることで意外とごまかせたりします。しかも、上強が当たったらこっちのコンボがつながります。もっとも、そのごまかしの上強さえもしっかりガードされたら普通に反撃されるので注意。
②崖端にダッシュして即回避の位置に引いて上スマ/上強/横強/横スマ
相手が崖端にダッシュしたのを見ると人は当然回避上がりをしたくなります。崖端に毒が撒いてあればなおさらです。そんな人の心理につけこみ、上スマ/上強/横強/横スマを狙っていくことができます。バーストを狙いたいのであれば上スマ/横スマ、外に出したいのであれば横強、コンボにつなげたいのであれば上強をするといいです。もし相手が普通にその場上がりなどをしてきたとしても上スマと横スマ以外であれば少なくともライン有利は維持できます。これは僕の経験談ですが、%不利状況から一気に逆転し始めたときやパックン側が明らかにストック有利なときなど、相手が焦ってきて無意識に回避上がりをしてしまいそうな精神状態時に仕掛けると結構成功します(笑)
3)パックンの崖のセットアップの対策
以上の計6つがパックンの崖のセットアップの主な択です。
ここで、各セットアップがそれぞれの崖上がりの択に対してどれを狩れてどれを狩れないのかを視覚的にまとめてみます。
( ◎:狩れる/△:微妙・場合による/×:狩れない )
①動いたのを見てから即DA
その場上がり:◎
ジャンプ上がり:△
攻撃上がり:×
回避上がり:◎
崖離し攻撃上がり:△
②崖端にダッシュしてガード
その場上がり:◎
攻撃上がり:◎
ジャンプ上がり:×
回避上がり:△
崖離し攻撃上がり:◎
③ジャンプ読み空前/空N/空後
その場上がり:×
攻撃上がり:×
ジャンプ上がり:◎
回避上がり:×
崖離し攻撃上がり:×
④崖端にダッシュして下スマ
その場上がり:◎
攻撃上がり:×
ジャンプ上がり:×
回避上がり:◎
崖離し攻撃上がり:×
①崖端でNBを浮かせる
その場上がり:×
攻撃上がり:◎
ジャンプ上がり:◎
回避上がり:×
崖離し攻撃上がり:△
②崖端にダッシュして即回避上がりの位置に引いて上スマ/上強/横強/横スマ
その場上がり:△
攻撃上がり:△
ジャンプ上がり:△
回避上がり:◎
崖離し攻撃上がり:△
こうしてみるとジャンプ上がりが基本安全だということが分かります。崖端のNB浮かせに当たらないようジャンプ上がりすることを基本にすれば比較的安全に崖を上がることができます。もっとも、即ジャンプ上がりばかりするとジャンプ読み空後を貰うので注意。
ジャンプ上がりが通されてるなーとパックン側が感じたら、ジャンプ読みの空前/空後や崖端のNB浮かせが増えてくるので、ここで初めて回避上がりなどのジャンプ上がり以外の択が通り始めるようになる、という感じです。
択を散らせばよいと言ってしまえば簡単ですが、パックン側としては最初からリスクの高い崖端のNB浮かせやジャンプ読み空前/空後をするわけがなく、序盤はその場上がりや回避上がりをケアしたDAやダッシュガードの択をメインにします。そして、相手がジャンプ上がりをしてくるようになったらジャンプ上がりを狩れる択を織り交ぜるようになります。つまり、崖のジャンケンにも順番があるということです。それを意識しつつ、択を散らせばパックンの崖が少し楽になるのではないかと思います。
また、意外と崖に掴まりっぱなしという択も見せておくといいです。上記のパックンの崖のセットアップは、どれもNBがなくなったのを見てから即行動してくる相手を前提としているため、たまに崖に掴まりっぱなしでいられると狩れないことが多いです。
もちろん、無敵切れに下スマや空下が当たることもあるのでやりすぎは禁物。
それと、キャラによってはそもそも崖を掴まないという選択肢も有効です。空中機動(特に横方向の空中機動)が優秀なキャラであれば、崖を掴まずに帰ることでパックンの崖をスキップすることも可能です。もちろん読まれるのでやりすぎは禁物。
他にも、パックンが毒やNBを置きにくい状況を作るというのも有効です。ロボットのNB下B、ルフレのNB、フィットレのNB横Bなど、パックンが崖のセットアップの準備として毒を撒いたりNBを置こうとしているところに飛び道具を当てることができれば無償で崖を上がることができます。こうした崖狩り拒否目当ての飛び道具に当たってしまうのはパックン側に落ち度があるのですが、意識していてもついつい食らってしまいます(笑) ガードされたとしても時間を稼ぐことができ、毒を撒くことができていない状況で崖狩りということも多いので、これらの飛び道具を持っているキャラは積極的に狙いましょう。
5.おわりに
以上で、僕のパックン解説・パックン対策解説は終わります。
あくまで僕のパックンを基準とした解説・対策なので、他のパックン一般にこのすべてが通用するわけではありませんが、少なくとも関西のオフで僕のパックンと当たった時に、これを読んでおけばかなり勝率が上がると思います(笑)。
このままパックン対策など世に出すことなく一生僕の胸の内にしまっておこうと思っていたのですが、KUSCで記事を書くことになったので書いてみました。
まぁ、それは表向きの理由でして、本当は、あまりにもみんなパックン対策をおろそかにしてるなあ(すまみやこ勢除く)と思ったので、そんなパックン軽視の世間に一石を投じたいと思ったから筆を執ったわけなんですが…
パックンは、最近になってようやく評価され始めた感じがありますが、対策できていない相手には本当に勝ちやすいキャラです。
この記事が、みなさんがパックンフラワーちゃんに少しでも思いをはせるきっかけになりますように。
著者 amesara (@AmesaraMM2)
パックンメインで活動してます。すまみやこによくいます。