【発表会】読み合いの手がかり
文責 GOTOU(@captain_gusoku)
目次
1 はじめに
こんにちは、KUSC所属のファルコン使いのGOTOUです。本当は引き行動の内容とともに一つの記事でまとめたかったのですが、書いているうちに引き行動と全く関係のない話となってしまったので記事を二つに分けました。
対戦ゲームにおいて相手の択を完全に予知することは当然できません。ですが、格上のプレイヤーはこちらの動きを予知しているかのように狩ってきます。これは何の差なのかというとキャラ対策、人対策、反応速度、操作精度の差etc.といった複合的な経験値の差によるもので、一朝一夕で埋まるものではありません。
ただし、相手の取りうる行動をある程度絞って予測することが可能な場面は存在します。相手の行動を読むための手がかりとなりそうな事例をいくつか紹介します。
正解のない読み合いについての話なので、曖昧かつ個人の見解によるところも大きいです。ご意見たくさんお待ちしています。熱い議論を交わしましょう。
この記事の内容は前回のチャートやつさんの記事である「【発表会】地上戦のシンプルな考え方 」を前提としています。えぐやばい内容なので未読の方は是非読んでみてください。
2 有利状況、不利状況
この「有利状況」「不利状況」は広い意味です。ラインがない状況、着地狩り、ターン継続(何もつながらない小技が当たった時)、設置技の存在など、ニュートラルが崩れていてコンボ中でない広い状況を指します。ゲームを進めるうえで一方が有利側でもう一方が不利側に立っているという状況です
このときのじゃんけんの回し方をざっくりと表にしてみます。カッコ内は着地狩りやターン継続の場合の用語です。
最善手 | 安定択(状況維持) | |
---|---|---|
有利側 | 崩し(直接たたく) | 牽制、様子見 |
不利側 | 置き、逃げ(暴れ、回避) | 固まる(何もしない) |
このとき、崩し←置き、逃げ←牽制、様子見←固まる←崩しの順でじゃんけんが回っています。「牽制、様子見←固まる」の間では基本的に何も起きません。
有利側は崩さないと相手が動かない限り何も起きずに終わってしまうのでどこかで崩したい。一方不利側は置きや逃げを通すことができれば不利展開が終わるので相手の崩しに対し的確に置きや逃げを通したい。
このニュートラルと比べて「取りうる選択肢が少ないじゃんけん」には人のプレイスタイルが出やすいです!!有利側のとき、安定志向のプレイヤーは様子見することが多いのに対し、即決型のプレイヤーは即崩しに来る、といったイメージです。
もちろん読まれると相手はゲーム中にある程度スタイルを変えて対応してきます。(これがいわゆる読み合いを回す、ということ。)しかし、これはそのプレイヤー固有の癖のようなもので、ゲームを進めるうえでの大事な手がかりとなってきます。(経験上、特に有利側の癖として出やすい気がします。)勝負を分ける情報なので、前回似たシチュエーションで相手が何を選択したか覚えておくようにしましょう。
3 間合いの近さ
特に攻めているとき、間合いが近いほど相手の判断をバグらせられることができます(特にリーチの短いキャラの場合)。相手の間近で読み合いを素早く仕掛け続けると、相手は反応し切れず固まるか、つい甘い置きや崩しをしてしまいます。そこをうまく狩ってあげるのです。間近を飛び回る鬱陶しい虫をつい払ってしまう感覚を相手に味わわせてあげましょう。
先ほどの話ともつながりますが、間近で攻められ続けてバグったときの行動は単調なものとなり、癖がより強く出やすくなります。格上のプレイヤーを相手にしたとき、こちらからは触れることもできずに一方的にボコられる経験をしたことがある人も多いでしょう。不利状況でただでさえじゃんけんの択が少ないのに、バグって思わず出した手を相手に読まれてしまうと、次の似たシチュエーションでも同じように読まれてしまいます。こうして知らぬうちに択負けし続けることで、なぜか一方的にボコられ続けるという状況が生まれるのです。
前回の記事で述べた崩しと引き行動による攻めの緩急も、間合いが近いほど効果が高くなります。いざというときに甘い置きをしてもらうためにも、見えない間合いからの鋭い崩しをあらかじめたくさん通しておくことが重要となってくるのです。
読み合い可能な間合いを近づけるには、キャラ理解、反応速度、操作精度の高さが必要となってきます。僕はこの差が読み合いのレベル差に直結すると考えています。
一方、武器持ちや長リーチ持ちキャラの場合は、自分の攻撃が一方的にあたる武器の先端の間合いをキープし、相手に息苦しさを与えます。うまくやれば相手は固まり、置きをされるリスクが減るので、崩しが通りやすくなる、という読み合いとなっています。
4 視覚的要素の利用
特定のキャラのバックジャンプやしゃがみ姿勢など、いかにも当たりそうで当たらない引き行動に崩す側は引っ掛かりやすいです。
思ったより後隙の少ない技や行動にも同じようなことが言え、差し返そうとする相手を狙って透かせるかもしれません。
5 おわりに
読み合いの話は書いてるうちにドツボにはまります。みんなはテーマとして選ぶのは避けましょう。
【発表会】引き行動について
文責 GOTOU(@captain_gusoku)
目次
1 はじめに
はじめまして、KUSC所属のGOTOUといいます。メインキャラはキャプテン・ファルコンです。
今回は立ち回りのなかの択の一つである引き行動についてまとめてみました。ファルコンを使う上でも欠かせない強い択ではありますが、実はいくつか落とし穴があります。実際僕はこの落とし穴に気づかず苦労したので、そのあたりも触れてみました。
この記事では引き行動のやり方、メリット、デメリットについて解説していきます。
なおこの記事の内容は前回のチャートやつさんの記事である「【発表会】地上戦のシンプルな考え方 」を前提としています。素晴らしい内容なので未読の方は是非読んでみてください。
2 引き行動はローリスクハイリターン
引き行動は崩しに対して(たまに置きに対しても)ローリスクハイリターンに差し返すことが可能な「せこい択」(BYチャートやつ)です。
ある場面だけを切り取ると、引き行動により相手の多くの択にほぼリスクなく対応できるためかなりの安定行動に見えます。ラインを少しずつ失うという引く側のリスクに対して、それを直接咎めようとする側のリスクがとても大きく見えるのです。
また、攻めの合間にうまく引き行動を混ぜることで、有利展開を維持しつつ攻めの緩急をつけて相手に視覚的な圧を与えることができます。
3 やり方
引き行動は「相手の崩し(差し込み)を読んで、それをよけて反撃する」という行動です。
崩す側は自キャラが居ると思った場所に突っ込んでくるので、一旦そこから引いてよける必要があります。主な引き方は自キャラと相談して決めましょう。そのキャラが得意とする引き方は運動性能や体の大きさによってある程度決まります。また引き行動からとれる火力の高さにも注目しましょう。
具体的には
ステップが優秀なキャラなら橫に(引きステで)逃げる(ゲッコウガ、ジョーカー等)
バックジャンプ、しゃがみなどのキャラ特有の姿勢でよける
同じ逃げ方を続けるといずれ読まれるので色々混ぜてみましょう。
4 引き行動のリスク
ここまで引き行動のいい面だけを書いてきましたが、引き行動は実は万能ではありません。引き行動を妄信していた昔の僕は、今から書く引き行動のデメリットを深く理解していませんでした。当時の反省を込めて書いていきます。
4-1 システム上のリスク
まず、大前提として引き行動は自らラインを下げて相手の崩しをよける行動なので、やりすぎるとラインがなくなり、崖に近づくほど引き行動がやりづらくなっていきます。(一部のキャラは崖を背負っている状態でもなお崖外に飛び出す引き行動が可能で、崩しに来た相手を空後などで差し返すことができますが、これに関しては引くこと自体に大きなリスクがあります。)引き行動に突っ込む必要がないとわかっている相手には、引き行動が読まれるごとにじりじりラインを詰められます。
引き行動は、引きを読んだ深めに差し込む崩し択には対応できません。マリオ、ピカチュウといったキャラがやってくる深めの上り空中攻撃には特に対応できません。うまい人ほど引きを読んできます。引き行動信者だった当時の僕には、何が起こっているのかわかりませんでした。基本に立ち返ってリーチの長い置き技で崩しを拒否することも重要です。
引き行動は飛び道具には無力です。飛び道具に対して引くとダメージを食らう上にラインも失う、という最悪の事態を招きます。普段引き行動を軸に立ち回っている人は、対飛び道具キャラの立ち回りに切り替えましょう。
引き行動からのリターンが低いキャラは火力負けします。そういったキャラはたいてい別の行動で高いリターンが取れるようにデザインされているので、素直にキャラコンセプトに従いましょう。
4-2 読み合い上のリスク
安定を取ろうとする心理で過度に引きすぎると、せっかくとった有利展開の放棄にもなることがあります。引きすぎることで逆に試合全体の安定感が減り、相手に落ち着いて考える余裕まで与えてしまいます。
相手の崩しが読めたから引く、攻めの中で相手を揺さぶるために引く、というように引き行動はあくまで相手と読み合うための択の一つであり、安定を取るために(自分が落ち着くために)とりあえずやっていい行動ではないのです。
5 崩しこそ重要
以上の引き行動のリスクをカバーするには、(いくら引き行動が強いキャラであっても)適度に崩し択を混ぜることがとても重要です。
引き行動は思い切りのいい崩し択と組み合わせることで攻めるうえでも守るうえでも絶大な効果を発揮します。崩しを咎めようとする相手の置きにこちらの引き行動が刺さり、引き行動を咎めようとする相手の前ステップにこちらの崩しが刺さるのです。
また、崩しは引き行動していると減ってくるラインの回復のためにも大事です。
6 まとめ
引き行動は(的確に使えると)強い!みんな元気でね
【発表会】地上戦のシンプルな考え方
文責: チャートやつ(@roknao)
目次
1 はじめに
KUSC会長のチャートやつです。
対戦ゲームの本質は、相手の考えを読んでそこを叩くことです。今回は地上戦で相手の行動を読んで攻撃を当てるために最低限必要な考え方を紹介します。
今回紹介する考え方を意識して対戦を続ければ、たとえトッププレイヤー相手でも自分の力で攻撃を当てられるようになるはずです!
この記事は次のような人にオススメです。
- タイマン初心者
- 読み合いの基本を身に着けたい人
- いろいろテクニックを身に着けようと頑張っているけどなんか勝てなくてわけわかんなくなってる人
- こどもリンク使い
今回の内容はKUSCの新人育成に使いたいと思っているもので、これから上達するための基礎固めを意識しています。この記事に対するフィードバックや質問を頂けると嬉しいです。 文章だけではどうしても伝わりにくい部分が多いので、詳しく学びたい人はぜひKUSCの活動に足を運んでみてください。
2 簡単な三すくみ(じゃんけん)
地上戦ではじゃんけんができます。じゃんけんを仕掛ければ必ず相手に攻撃を当てるチャンスが生まれます。 地上戦のじゃんけんのことを「三すくみ」と呼ぶことにします。
三すくみでは次の三つの行動で相手と勝負します。相手が何の手を出すのか予測して、それに勝てる手を出します。
- 崩し(グー)
- 置き(パー)
- 差し返し(チョキ)
あいこの場合は仕掛けるタイミングや攻撃のリーチ等で勝敗が決まります。
三すくみの読み合い無しで地上戦をするのは困難です。そして、崩し・置き・差し返しの全てができないと、三すくみの読み合いはできません。 三すくみのそれぞれの手を、一つずつ正確に出せるようにしましょう。
※ 三すくみを説明する際には「崩し」の代わりに「差し込み」という用語で説明されることが多いですが、今回は個人的にしっくり来る「崩し」という言葉を選ぶことにしました。
2-1 崩し
差し返しに勝てます(ただし、ダメージを取れるかは読み合いの結果次第)。 置きに負けます。
崩しでは、相手が今いる場所に近づいて、防御行動を崩してダメージを与えに行きます。
ガードを読んだらつかみ、それ以外を読んだら攻撃という読み合いをします。 初心者はとりあえずつかみにいくところから始めましょう。
崩しの行動はDAやダッシュ掴みのように1手で終わってもいいですし、攻撃のフレーム性能やリーチが優秀なキャラならセットプレイで固めにいっても良いです。
重要なのは、相手の攻撃を食らうことを怖がらないことです。 崩しという選択肢を取った以上、相手の置きに負けるのは当然のことです。 無防備であることを受け入れるからこそ、つかみや回避読み等の崩し行動がしっかりと行えるわけです。
2-2 置き
崩しに勝てます。 差し返しに負けます。
置きでは、相手が近づいてくるタイミングを予期して、その場であらかじめ攻撃を振ります。
重要なのは、相手が近づいてくるのを見てから攻撃を振るのではないことです。 見てから攻撃を振っても、崩しに勝てません。 逆に言えば、見てから攻撃に負ける間合いからの崩しは置きにも差し返しにも負けてしまうため、三すくみが成立していません。
また、その場で攻撃を振るという点にも注意してください。自分から前に出てしまうと、置きとしても崩しとしても中途半端な手になってしまいます。
2-3 差し返し
置きに勝てます(ただし、崩し・置きと比べて操作難易度が高い)。 崩しに負けます。
差し返しでは、相手が攻撃を置くことを予期して、相手が動いたのを見てから攻撃の硬直中に反撃します。
確定で反撃を取ることが非常に難しい置き技もあるので、実際は相手が動くタイミングを読んで噛み合わせたり、硬直中に相手に近づいて読み合いすることもあります。
重要なのは、置きが届かないギリギリの間合いから、その場で相手を見ることです。 引きステップから反撃を取ることは差し返しに含みません。
3 ずるい選択肢
地上戦の三すくみで説明しきれない、三すくみを無視して戦えるような選択肢を「ずるい選択肢」と呼ぶことにします。 ずるい選択肢にはいろいろありますが、ここでは比較的分かりやすい飛び道具・大ジャンプ・引きステップを紹介します。
注意してほしいのは、ずるい選択肢は三すくみが発生する間合いで使うからこそ強いという点です。
ずるい選択肢は三すくみを理解しているからこそ強い選択肢です。ずるい選択肢は見破られると地上戦の三すくみをせざるを得なくなります。三すくみの読み合いを磨いた上で、少し楽をしたい、勝負に出たい場面で使うのが良いと思います。
3-1 大ジャンプ
崩し属性っぽい選択肢です。
- 飛び道具に勝てる
- 読まれると見てから対空に負ける
※ 見てから対空に負けるというのは、地上にいる相手に対して大ジャンプから攻撃を当てに行こうとした想定での話です。 対空を誘ったり、空対空の勝負をするといった、より複雑な選択肢も考えられます。 しかし、それらは全て大ジャンプと対空のシンプルな構図から派生したものであり、大ジャンプを見てから対空できて初めて意味が生まれるものだと考えています。
3-2 飛び道具
置き属性っぽい選択肢です。三すくみの間合いで撃つこどもリンクのNBは最強です。
- 崩し・置き・差し返しの全てに勝てる
- 読まれると大ジャンプされて負ける
重要なのは、相手の置きが届かないギリギリの間合いで飛び道具を撃つことです。 飛び道具は、リスクを付けられる間合いで撃つからこそ強いのです。 飛び道具の読み合いについては僕が前回書いた記事で詳しく説明しています。
3-3 引きステップ
皆が大好きなあの選択肢です。
- 崩しに勝てることが多い
- 置き・差し返しにもそれほど負けていない
- 大ジャンプにも対応できる
どんな選択肢にも比較的安全な結果が得られますが、キャラによってはリターンが薄い・崖を背負うと使いにくくなるといった短所があります。
4 鉄壁の選択肢: ガード
ガードはほとんどの行動に大負けすることがありません。上で述べた3すくみだけでなく、ずるい選択肢を含めてほぼ全ての行動から身を守ることができます。それどころか、キャラによってはガーキャン行動から逆にダメージを与えることさえ可能です。
ガードする相手にダメージを与えるには、3すくみの崩しを通す→掴みを選ぶ などといった数少ない選択肢を通すしかありません。地上戦が上手い相手にガードを使われると、ダメージを与えるのが本当に難しくなります。
非常に心強い選択肢のガードですが、次のようなデメリットもあります。
- 全キャラ共通の行動なので読まれやすい
- リターンが薄い
- 自由に動けない時間が長いため、間合い管理の勝負で後手に回ってしまう。
読まれていても擦れるほど強い選択肢ではないので、相手の行動が読めない時や、要所での防御で使いましょう。
5 おわりに
今回紹介した考え方は、様々な場面で思考を助けてくれます。
- 自キャラの開拓
- キャラ対策
- 人対策
- 対戦の反省
- 対戦相手へのアドバイス
自分と相手の行動を解釈するために最低限必要なシンプルなモデルを考えて、そこから少しずつ思考を整理していくことが大切です。
スマブラは複雑なゲームです。他の格闘ゲームと比べて、どこが読み合いになっているのか理解しにくいゲームだと感じます。
よく分からないものをそのまま放置してスマブラを続けていると、自分なりに綺麗に立ちまわってるつもりがなんか勝てなかったり、その時の気分で調子が激しく上下したり、ふとした時に自分が一体どうやって戦えばいいのか分からなくなったりします。僕はこうした悩みを長い間抱えていました。
僕と同じような悩みを持っている人達が、この記事を読んで元気を取り戻してくれることを願います。
【発表会】対戦動画の見方
はじめに?
初めましての方は初めまして。それ以外の方にはおなじみヤル田バオ造です。
突然ながら、昨今オフもないけどオンラインはイヤすぎてモチベを落としているスマブラー、いますね?はい、います。
一理あるマリー・アントワネット「対戦できないなら動画を見ればいいじゃない」
ということでスマブラにおける対戦動画の見方を紹介していきたいと思います。 ちなみにトレモもおすすめだそうです。
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