【発表会】地上戦のシンプルな考え方

文責: チャートやつ(@roknao

目次

1 はじめに

2 簡単な3すくみ(じゃんけん)

3 ずるい選択肢

4 鉄壁の選択肢: ガード

5 おわりに

1 はじめに

KUSC会長のチャートやつです。

対戦ゲームの本質は、相手の考えを読んでそこを叩くことです。今回は地上戦で相手の行動を読んで攻撃を当てるために最低限必要な考え方を紹介します。

今回紹介する考え方を意識して対戦を続ければ、たとえトッププレイヤー相手でも自分の力で攻撃を当てられるようになるはずです!

この記事は次のような人にオススメです。

  • タイマン初心者
  • 読み合いの基本を身に着けたい人
  • いろいろテクニックを身に着けようと頑張っているけどなんか勝てなくてわけわかんなくなってる人
  • こどもリンク使い

今回の内容はKUSCの新人育成に使いたいと思っているもので、これから上達するための基礎固めを意識しています。この記事に対するフィードバックや質問を頂けると嬉しいです。 文章だけではどうしても伝わりにくい部分が多いので、詳しく学びたい人はぜひKUSCの活動に足を運んでみてください。

2 簡単な三すくみ(じゃんけん)

地上戦ではじゃんけんができます。じゃんけんを仕掛ければ必ず相手に攻撃を当てるチャンスが生まれます。 地上戦のじゃんけんのことを「三すくみ」と呼ぶことにします。

三すくみでは次の三つの行動で相手と勝負します。相手が何の手を出すのか予測して、それに勝てる手を出します。

  • 崩し(グー)
  • 置き(パー)
  • 差し返し(チョキ)

あいこの場合は仕掛けるタイミングや攻撃のリーチ等で勝敗が決まります。

三すくみの読み合い無しで地上戦をするのは困難です。そして、崩し・置き・差し返しの全てができないと、三すくみの読み合いはできません。 三すくみのそれぞれの手を、一つずつ正確に出せるようにしましょう。

※ 三すくみを説明する際には「崩し」の代わりに「差し込み」という用語で説明されることが多いですが、今回は個人的にしっくり来る「崩し」という言葉を選ぶことにしました。

2-1 崩し

差し返しに勝てます(ただし、ダメージを取れるかは読み合いの結果次第)。 置きに負けます。

崩しでは、相手が今いる場所に近づいて、防御行動を崩してダメージを与えに行きます。

ガードを読んだらつかみ、それ以外を読んだら攻撃という読み合いをします。 初心者はとりあえずつかみにいくところから始めましょう。

崩しの行動はDAやダッシュ掴みのように1手で終わってもいいですし、攻撃のフレーム性能やリーチが優秀なキャラならセットプレイで固めにいっても良いです。

重要なのは、相手の攻撃を食らうことを怖がらないことです。 崩しという選択肢を取った以上、相手の置きに負けるのは当然のことです。 無防備であることを受け入れるからこそ、つかみや回避読み等の崩し行動がしっかりと行えるわけです。

2-2 置き

崩しに勝てます。 差し返しに負けます。

置きでは、相手が近づいてくるタイミングを予期して、その場であらかじめ攻撃を振ります。

重要なのは、相手が近づいてくるのを見てから攻撃を振るのではないことです。 見てから攻撃を振っても、崩しに勝てません。 逆に言えば、見てから攻撃に負ける間合いからの崩しは置きにも差し返しにも負けてしまうため、三すくみが成立していません。

また、その場で攻撃を振るという点にも注意してください。自分から前に出てしまうと、置きとしても崩しとしても中途半端な手になってしまいます。

2-3 差し返し

置きに勝てます(ただし、崩し・置きと比べて操作難易度が高い)。 崩しに負けます。

差し返しでは、相手が攻撃を置くことを予期して、相手が動いたのを見てから攻撃の硬直中に反撃します。

確定で反撃を取ることが非常に難しい置き技もあるので、実際は相手が動くタイミングを読んで噛み合わせたり、硬直中に相手に近づいて読み合いすることもあります。

重要なのは、置きが届かないギリギリの間合いから、その場で相手を見ることです。 引きステップから反撃を取ることは差し返しに含みません。

3 ずるい選択肢

地上戦の三すくみで説明しきれない、三すくみを無視して戦えるような選択肢を「ずるい選択肢」と呼ぶことにします。 ずるい選択肢にはいろいろありますが、ここでは比較的分かりやすい飛び道具・大ジャンプ・引きステップを紹介します。

注意してほしいのは、ずるい選択肢は三すくみが発生する間合いで使うからこそ強いという点です。

ずるい選択肢は三すくみを理解しているからこそ強い選択肢です。ずるい選択肢は見破られると地上戦の三すくみをせざるを得なくなります。三すくみの読み合いを磨いた上で、少し楽をしたい、勝負に出たい場面で使うのが良いと思います。

3-1 大ジャンプ

崩し属性っぽい選択肢です。

  • 飛び道具に勝てる
  • 読まれると見てから対空に負ける

※ 見てから対空に負けるというのは、地上にいる相手に対して大ジャンプから攻撃を当てに行こうとした想定での話です。 対空を誘ったり、空対空の勝負をするといった、より複雑な選択肢も考えられます。 しかし、それらは全て大ジャンプと対空のシンプルな構図から派生したものであり、大ジャンプを見てから対空できて初めて意味が生まれるものだと考えています。

3-2 飛び道具

置き属性っぽい選択肢です。三すくみの間合いで撃つこどもリンクのNBは最強です。

  • 崩し・置き・差し返しの全てに勝てる
  • 読まれると大ジャンプされて負ける

重要なのは、相手の置きが届かないギリギリの間合いで飛び道具を撃つことです。 飛び道具は、リスクを付けられる間合いで撃つからこそ強いのです。 飛び道具の読み合いについては僕が前回書いた記事で詳しく説明しています。

3-3 引きステップ

皆が大好きなあの選択肢です。

  • 崩しに勝てることが多い
  • 置き・差し返しにもそれほど負けていない
  • 大ジャンプにも対応できる

どんな選択肢にも比較的安全な結果が得られますが、キャラによってはリターンが薄い・崖を背負うと使いにくくなるといった短所があります。

4 鉄壁の選択肢: ガード

ガードはほとんどの行動に大負けすることがありません。上で述べた3すくみだけでなく、ずるい選択肢を含めてほぼ全ての行動から身を守ることができます。それどころか、キャラによってはガーキャン行動から逆にダメージを与えることさえ可能です。

ガードする相手にダメージを与えるには、3すくみの崩しを通す→掴みを選ぶ などといった数少ない選択肢を通すしかありません。地上戦が上手い相手にガードを使われると、ダメージを与えるのが本当に難しくなります。

非常に心強い選択肢のガードですが、次のようなデメリットもあります。

  • 全キャラ共通の行動なので読まれやすい
  • リターンが薄い
  • 自由に動けない時間が長いため、間合い管理の勝負で後手に回ってしまう。

読まれていても擦れるほど強い選択肢ではないので、相手の行動が読めない時や、要所での防御で使いましょう。

5 おわりに

今回紹介した考え方は、様々な場面で思考を助けてくれます。

  • 自キャラの開拓
  • キャラ対策
  • 人対策
  • 対戦の反省
  • 対戦相手へのアドバイス

自分と相手の行動を解釈するために最低限必要なシンプルなモデルを考えて、そこから少しずつ思考を整理していくことが大切です。

スマブラは複雑なゲームです。他の格闘ゲームと比べて、どこが読み合いになっているのか理解しにくいゲームだと感じます。

よく分からないものをそのまま放置してスマブラを続けていると、自分なりに綺麗に立ちまわってるつもりがなんか勝てなかったり、その時の気分で調子が激しく上下したり、ふとした時に自分が一体どうやって戦えばいいのか分からなくなったりします。僕はこうした悩みを長い間抱えていました。

僕と同じような悩みを持っている人達が、この記事を読んで元気を取り戻してくれることを願います。