【発表会】どのように撃墜拒否をするか

文責:tama

はじめに

京大スマブラ会のtamaです.ホムラ・ヒカリとルフレを主に使っています.実力はだいたい世界戦闘力964万(VIPボーダー890万)あたりです.
スマブラというゲームを特徴づける要素として撃墜されなければ負けないという点が挙げられます.そこで,今回の発表会では撃墜拒否をする際に僕がどのように考えているかどうかを起点にして皆で撃墜拒否に至るまでの考え方および拒否方法について議論しました.それらをまとめたものをこの場で紹介します.

概要

まず撃墜拒否の前提として,キャラごとに予め対策を立てておく必要があります.対策を立てるためには,キャラごとに警戒しなければならない択(表択)やそれを拒否する方法を決定しなければいけません.しかし,この2つを決定する方針がはっきりしている人は少ないのではないのでしょうか.そこで今回は「表択の決定」,「表択の変化」,「撃墜拒否の方法」という3つの項目に分けて説明していこうかと考えています.まだまだ,僕も未熟な部分なのでこの記事がすべてではありませんが,撃墜拒否の一助になれば幸いです.

順序 タイトル
1 警戒すべき択の決定
2 警戒すべき択の変化
3 撃墜拒否の方法

警戒すべき択(表択)の決定

そもそも,警戒すべき択が分からなければ撃墜拒否をすることは不可能です.一般的に警戒すべき択は「撃墜される択」と紹介されていることが多いと思います.この表現は間違ってはいないのですが,あまり正確ではない(暗黙の了解がある)と思います.もし,この表現が正確なのであれば,皆さんは試合の中で魔人拳やファルコンパンチに常に怯えているはずです.しかし,魔人拳を振る人はほとんどいませんし,警戒している人もほとんどいないはずです.魔人拳が表択にならず,警戒されない理由はとんでもなくリスクが高いからです(見てから最大反撃するのが容易だから).この例からわかるように,表択になりうるものはリスクの低さとリターンの高さの兼合いから決まると考えられます.つまり,この二つのバランスを考えて最も期待値の高くなる技が表択です.しかし,このバランスは相手の「体力」「位置」「展開」によって,変わってきます.それぞれについて簡単に見ていきましょう.

  1. 体力
    これは,皆さん意識していると思います.単純にパーセントが溜まるほど撃墜技が増えていきます.
  2. 位置
    相手の位置によっても相手の撃墜帯は変わります.ステージ端ですと横撃墜がしやすくなり,逆にステージ中央ですと横撃墜がしにくくなります(リターンが下がります).つまり,ステージ中央だと上撃墜のほうがリターンが高くなることがあります.
  3. 展開
    例えば着地狩り展開だと,スマッシュのリスクが大きく減ります.そのため,着地狩りの択としてスマッシュは非常に強い択になり得ます.

これらを考慮してうえで横スマッシュのリスクとリターンのバランスを考えます.

  1. どちらもステージ中央&地上にいる場合
    この場合を基準とします.リスク50,リターン50としましょう.
  2. 相手がステージ端にいる場合
    この場合,横撃墜がしやすくなるため,リターンがリターンが上がります(例えばリターン50→70).一方で,リスクはほとんど増えません.つまり,この状況ではリスク50,リターン70となります.
  3. 相手がステージ端にいて着地する直前
    この場合,2の場合とリターンは変わりません.しかし,リスクが大きく低下します(例えばリスク50→30).この状況ではリスク30,リターン70となります.

各技に対して,このようなリスクリターンを考え,最も期待値の高い技が相手の表択になると僕は捉えています.このように考えると状況が時々刻々と変化する試合においては,表択も変化していくと考えられます.次の項目ではそれについてみていきます.
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警戒すべき択(表択)の変化

上記のように,試合の中で撃墜の表択は変化していきます.つまり,表択(撃墜側が多めに使用する技)が切り替わる瞬間が必ず存在します.撃墜する側からすれば,この切り替わった表択が毎回通ると撃墜が一気にしやすくなります.逆に撃墜される側からすると,この技を意識することができれば寿命がかなり延びます.
例えばスネークの場合だと100%付近では上強が相手の撃墜の表択です.しかし,159%だと下投げ上強が表択に急浮上します.つまり,今までの立ち回りに比べて掴みの回数が増えることが多いです.
このように相手の撃墜の表択(リスクの低い技)を警戒して拒否(反撃)すると,相手は他のリスクの高い技を選択せざるを得なくなります.このようにすると撃墜レースを有利に進めることができます.次の項目では実際に,撃墜の表択を拒否する方法について考えていきます.
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撃墜拒否の方法

上記の項目によって実際に警戒するべき技を決定することができたため,この項目ではそれらを拒否する方法について考えていきます.相手の技に当たらないことだけが撃墜拒否と考えられがちですが,相手に撃墜されるまでの読み合いの回数を増やすというのも立派な撃墜拒否です.そこで,今回は「技に当たらないこと前提の拒否」と「技に当たること前提の拒否」の二つに分けて説明していきます.

技に当たらないこと前提の拒否

  1. 表択への反撃,リスク付け
    相手の表択にリスクを負わせる方法です.この方法は予め考えておかないと厳しいと思います.相手の技にリスクを負わせる方法として,以下のような方法があります.
    • 「相手の技の発生を潰す方法」
      これはそもそも相手にその技を振らせないようにする方法です.例えば,下り空中攻撃が強いキャラに対して先出しで空中技を置いとくことによって相手のジャンプを狩ることができます.アイクの空Nとかはこの方法で拒否しやすいです.
    • 「ガードや差し返しでの反撃」
      これはガーキャン行動や相手の空振りを誘って反撃をする方法です.予めどの技で反撃するか決めておいて,できる限り最大リターンを取るようにした方がいいです.最大リターンをとれなくても,何かしらの技で反撃をするだけでも,相手はその技を振りたくなくなります.
    • 「強判定をぶつける」
      これは,剣キャラを使用しているときに有効な方法です.相手の下り空中攻撃などに判定が勝てる技(武器判定)をぶつけて反撃します.他のキャラだと上スマッシュなどが使えます.
  2. 相手の表択が当たる範囲の外にいる
    無理に相手の撃墜択に反撃を取らず相手の撃墜択の範囲外に逃げて様子を見る方法です.これは相手の撃墜択に対する反撃が取りにくい時に有効です.しかし,相手からすればリスク無しに技を振ることができる状況は変わらないので,できれば表択にリスクをつけるようにした方がいいです.
  3. 撃墜されやすい展開に繋げない
    撃墜されるという状況にならないようにする方法です.相手に技をガードさせて固めたり,ライン有利の状況を保つことによって撃墜されやすい展開を作らないようにします.また,ライン有利の状況でも,回避などを通されるとラインが逆転してしまうので,回避などは通されないように意識した方がいいです.

技に当たること前提の拒否

  1. ずらし,ベクトル変更
    相手の技に当たってもずらしやベクトル変更することで,撃墜コンボが繋がらなかったり,撃墜されなくなります(例えば,パルテナの下投げ空後).
  2. 撃墜されない位置にいる
    相手に撃墜されない位置から離れないように戦う方法です.例えば,横撃墜が強いキャラが場合はステージ中央で戦うことで技に当たっても撃墜されにくくなります(撃シュルクピチューなどに有効です).他の例だとゲーム&ウォッチの場合,空上で撃墜できないので,ゲーム&ウォッチの上側にいると撃墜されにくくなります.このように相手の撃墜技がどの方向に強いのか意識することで撃墜されにくい位置取りをすることができます.
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終わりに......

今回は撃墜拒否に関して僕の考えを述べていきました.最初でも書いたようにこの記事が全てではないのですが,撃墜拒否を考える際の参考にしてくださると幸いです.
p.s. これだけたくさんのキャラがいるゲームで対策を立てるのは本当に大変です......
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